- 日本クレーム対応協会
- 「クレームのない笑顔で溢れる社会を!」
谷 厚志が代表理事を務める(一社)
日本クレーム対応協会
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話すスピードとトーンをお客様にあわせる
怒りを笑顔に変える!クレーム対応の法則 【 最終回 】
クレーム対応の上級者がテクニックの一つとして実践
していることに、お客様の話すスピードとトーンをあ
わせにいくことがあります。
これは、クレームを言う立場になればわかることなの
ですが、例えば通販で注文した商品が時間通りに到着
せず、急いでコールセンターに連絡したとしましょう。
「午前中に届くはずの商品がまだ届いてないのですけ
ど!」と少し早めの口調で伝えたところ、対応に出て
きたオペレーターから「まずはお客様のお名前と電話
番号を教えていただけますか」と、冷静に言われたら
どんな気持ちになるでしょうか?
企業のコールセンターの対応マニュアルを多く監修し
てきましたが、どのお客様に対してもどんな要件であ
っても 「まずお客様のお名前と電話番号をうかがう」
と決められているのです。
全てのオペレーターが、同じ対応をできるようにする
ために作成されたのが対応マニュアルの良い部分かも
しれませんが、裏を返せば親近感がわかない、融通が
利かない印象をお客様に与えます。
正直言うと、全員が同じ対応をするならオペレーター
でなくてネット対応でも充分です。画一的な対応を優
先するマニュアルの存在によって、お客様との良好な
コミュニケーションができず、心を通わすことができ
る機会を損失しています。
今回であれば明らかにお急ぎでお困りのご様子がうか
がえる内容だとわかります。であれば、こちらも少し
早口で「さようでございましたか!お客様にご不便を
おかけしまして、申し訳ございません!」と少しお客
様の話すスピードにあわせるようにお詫びの言葉を伝
えるとお客様も安心されるのではないでしょうか。
お客様も「あっ!私が困っていることをわかってくれ
ている」と考え、気持ちも少しは落ち着くはずです。
逆に落ち込んだご様子でゆっくりとした口調でクレー
ムを言ってくるお客様もいます。
この場合であれば、笑顔で爽やかな対応をすることを
控えるようにします。こちらもお客様の話し方のトー
ンをあわせながら、早口にならずに同じスピードで話
すことを意識すれば、お客様も安心して話すことがで
きるようになります。
怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタント
谷 厚志