- 日本クレーム対応協会
- 「クレームのない笑顔で溢れる社会を!」
谷 厚志が代表理事を務める(一社)
日本クレーム対応協会
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すべきは”共感”であり、”賛成”ではない
怒りを笑顔に変える!クレーム対応の法則 【 31 】
クレーム対応で話を聴いているうちに、お客様の話に
感情移入しすぎる方がいます。
良き理解者として共感することが大切さを前のコラム
でお伝えしましたが、「賛成」することは避けてもら
いたいのです。
和菓子のお店でようかんを買って食べたというお客様
から電話で「異物が混入していた」というクレームが
入りました。
本来であれば、お詫びしお客様の話を聴いて、どんな
異物が入っていたのか回収して確認し、どの製造工程
の中で混入したのかを調べた上で、お客様へどのよう
に対応するかを考えるのが、良い対応だと考えます。
ただ、このお客様は友人宅へのお土産として持ってい
ったものに異物が混入していたことで、自分がどれだ
け恥をかかされたかを1時間近くも話し続けたようで
した。
実は1時間近くもクレームになったには、理由があり
ました。対応したパートの女性が、このお客様に感情
移入してしまい同情してしまったようで、製造工程が
いかに管理できていなかったのかを、お客様と一緒に
なって非難していたようでした。
最終的はお客様も怒りがまったく収まらなかったよう
で、「店長を出せ!」となり、さらにクレーム対応に
1時間以上も費やすことになってしまいました。
事務的な対応で、お客様を怒らせてしまうケースとは
逆で、お客様の立場に立つことは悪くはなかったので
すが、お客様と一緒になって店を悪くいうのは避けて
もらいたいです。
この時にパートの女性がお客様に使っていた相づちが
「はい、私もそう思います」「そんなことはありえな
いですよね」 「そうお考えになるのは当然ですよね」
と同調の言葉であり、お客様を支持する言葉の数々で
した。
この言葉にお客様は「 そうだ!悪いのはこの店だ! 」
と、怒りを増大させたのです。
今回の場合であれば「私共の商品で大変ご不便をおか
けしたということ、状況がよくわかりました」という、
起きた事実に対して理解を示すことが出来てさえいれ
ば、お客様のさらなる怒りを買うことはなかったと考
えられます。
怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタント
谷 厚志