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クレームで仕事を見直すと、アイデアが思い浮かぶ

 

怒りを笑顔に変える!クレーム対応の法則  【 10 】

 

 

私は、クレームは「健康診断の結果と同じ」だと考え

ています。

クレームが発生した時点で異常数値を示している可能

性があり、仕事の習慣を変えるキッカケにしないと大

病を患う可能性があると思っています。

 

仕事のやり方や習慣を変えようとすると、クレームか

らお客様が喜ぶ新しいサービスを思いつくことも実は

少なくありません。

 

居酒屋のお話です。グルメサイトのクチコミ掲示板に

「ラストオーダーから閉店間際の接客が雑で気分が悪

い!」という投稿が書き込まれたことがありました。

 

このネガティブな書き込みに対してお店のご主人は、

悔しい気持ち以上に、お越しいただいたお客様に申し

訳ないことをしたという気持ちでいっぱいになったそ

うです。

同じことを起こしてはならないと考えたご主人が最初

にしたことは、ラストオーダー終了後に今まで当たり

前のようにしていた厨房の床掃除やレジ締め作業は、

一切やめるよう店舗スタッフに指示し、ゆっくり過ご

していただくよう雰囲気づくりを徹底しました。

 

ここまでは誰もが思いつくことかもしれません。この

お店のご主人が素晴らしかったのはここからでした。

 

閉店30分前から自ら店の入り口付近に立ち、ラスト

オーダーギリギリに入店してくるお客様に、こう質問

するようにしました。

 

「軽く1杯だけ飲みたいっていう感じですか、ガッツリ

食べたい気分ですか?」

 

この質問に対して、「あと1杯だけ飲みたい」というお

客様には「上のフロアにあるバーはあと2時間はやって

いるのでウチより落ち着いて飲める」と提案し、「ガッ

ツリ食べたい」というお客様には、「朝までやっていて

焼き鳥が美味しい居酒屋があります」と紹介するように

しました。

 

良い情報を教えてもらったとお客様から喜ばれ、紹介さ

れたバーと居酒屋のスタッフからも大変感謝されたよう

です。

ここだけに終わらず、お客様はこれがキッカケでご主人

目当てに通う常連客になり、紹介したバーと居酒屋から

は逆にお客様を紹介されることも増えたのでした。

 

このようにクレームを上手く活かすことでお客様の笑顔

を増やすことができるようになります。

 

 

失敗しない!クレーム対応100の法則」より

 

 

怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタント

谷 厚志

 

 

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